見張り番

2007-03-16 17:00:00

もうすぐ私たちの家が完成する。

もちろん初めてのマイホーム。

 

パパはこれから35年という長いローンを背負うわけだけど、それが終わるころには、もうすっかりお爺さんだよね。

サツキもみゆきも、そのころにはさすがにおばちゃんになっていて…ちゃんと結婚できてるよね。

 

正直言えば、私は本当はマイホームなんてどうでもよかった。

パパと二人の娘がアツくなっていたんだけど、でも、そんな姿を見ているのもすごく楽しかったかな。

 

でもね、家の設計図や模型とか見ていたら、ふと思った。

歳をとったときに大きな家の大きな部屋で、娘たちや、その旦那さんとか、孫たちに囲まれていたいなって。

「おばあちゃん、おばあちゃん」ってみんなから声をかけられて、私はとっても可愛らしい年寄りで、歯のない口元をもごもごさせながら、ただニコニコみんなの顔を見てる。

そんな光景が目に浮かんできて、私も「パパがんばって!」って背中をたたいちゃった。

35年か…。私や家族がどんな風になってるかなんて、まったく想像もつかないくらい、とてつもなく長い時間…だよね。

 

週末ごとに、建築中の家を見に行くのが楽しみで、家族みんなで車に乗って約1時間かけてやってきて、「ああ、もうこんなにできたんだ」って。

 

こういうときがイチバン楽しい。

夢とか恋とかって、手に入るまでがイチバン楽しいよね。

だって、ほら、旅行もね、実際に行くまでの、あれこれ計画とかしている時間がイチバン楽しかったりするもんね。

 

で、今日、リビングになるはずのところあたりの基礎の上で眠る猫ちゃんを発見!

 

娘たちがいっせいに

「アー! 猫ちゃん、先に住んじゃってずるいよぉ」とか、「そこは私たちの家だよぉ」だとか口々にいってるんだけど、もちろん猫ちゃんは全く動じない。

 

そんな娘たちの姿を、パパも余裕の態度で見ていて、ああ、この人ってこういうときに、こんな柔らかな顔をするんだ、なんて大発見しちゃったら、なんかすごくあたたかいものが胸の中にあふれてきた。

 

「いいじゃない。猫ちゃんが、工事中はずっと私たちの代わりに見張り番してくれてるんだよ。ねずみとかゴキブリとか来ないように」

なんていって娘たちを納得させた私も、やっぱり少し気持ちに余裕があるみたい。

 

「じゃあ、しっかり見張っててね!」

そんな娘の声にもまったく反応を示さない猫ちゃん。

引っ越してきてもよろしくね。


Category : お昼寝ニャンコ

ネコって夜はどこに寝るの?

2007-02-09 17:00:00

学校帰りに見つけたネコ。

塀の上で眠っていて、僕がそばを通ったって、全然ムシ。

あんなに高いところで眠っていて、バランス崩して落っこちたりしないのかなんて思ったり。

でも、そんな僕の要らぬ心配もよそに、そのネコはぐっすりと眠っているように見える。

 

家に一回帰ってからカバンをおいて、おやつ食べてから自転車に乗って塾に行くんだけど、そのときもまだネコは眠っていて、なんとなくだけどうらやましいなんて思ったりして。

でも、かといって僕がネコになりたいとか、そういうことじゃなくって、ただ、ほんの一瞬だけうらやましがってみただけなのかもしれない。

 

それから僕はいつもどおり塾に行って3時間くらい勉強をして、かえってくるころにはもうネコはそこにいなかった。

ネコって夜はどこに寝るんだろう? なんて考えながら自転車をこいでいた。

 

家に帰ったら、学校の宿題と塾の宿題の両方をやんなくっちゃ。

寝るまでの間に少しぐらいDSをやる時間があるといいな。


Category : お昼寝ニャンコ

もうすぐ春だね

2007-02-03 17:00:00

今年は暖冬っていうことですけど、それでもやっぱり朝晩はめっきり冷え込んで、末端冷え性の私には辛い日々が続いています。

しもやけの足をハイヒールにぎゅっと詰め込んで、凍える指先に息を吹きかけながらの朝の通勤。我ながら頑張ってるなって思っています。早く寿退社でもして、苦手な冬をぬくぬくとコタツの中で過ごすことができるような生活を…なんて贅沢な話かな。っていうか、なんとか25歳くらいまでには結婚したいって思っていたんですけど、全然目処がたちません。でも、まあ、あせってもしょうがないんで、今は何も考えずに日々を過ごしているって感じです。

昼休みには会社の会議室で、自分で作ったお弁当を食べてるんですけど、たまに寝坊しちゃった時には、会社の裏の公園のはずれにあるこじんまりとしたレストランにいって、ひとりっきりでランチすることがあるんですね。その公園に可愛いネコちゃんがいっぱい住んでいて、窓際の席から外を眺めていると、「おいしそうだなぁ」とか「あったかそうだなぁ」って感じで、こっちをうらやましそうに見ている彼女たちの視線にさらされるんです。

私は私で、日当たりのなかでのんびり丸くなっているネコちゃんたちを羨望のまなざしで見てたりして。お互いにうらやましがっているのがおかしくって一人クスクス笑っていると、「妙な人だな」って、人間の好奇の視線も感じちゃったりして。

とにかく、もうすぐ春がきます。そのころになれば私のしもやけも収まるだろうから、少し気分も変わるかもしれませんね。まあ、贅沢いってもきりないし、今は今でとっても幸せなんだろうなって、思っています。


Category : お昼寝ニャンコ

黙って話を聞いてくれたね

2007-01-25 17:00:00

上京してからもうすぐ一年になるね。

東京の一人暮らしにはなかなか慣れないなって思ってた。

なんで、みんなあんなふうに楽しそうに笑えるんだろうって。

最初の頃は何度か合コンとかにも行ったけど、私、いつも端っこの席でぽつん。

心を割って話せる友達もできないから、学校生活にもいき詰ってさ、本当に一日誰とも話をしない日もあって、言葉なんか忘れちゃいそうだった。

TVを見ると、毎日怖いニュースが多くって、警戒心だけはすっごく強くなるし、実家に電話して元気のない声を聞かせると親も心配するだろうから…。

やっぱ、あわないかなぁ、東京暮らし…って思ってたんだ。

 

それでね、昨日公園にいったんだ。なんか、何もやる気がしなかったし、誰とも会いたくなかったし、かといって家に閉じこもっているのも気が滅入っちゃうし。まあ、天気も良かったし。

この季節だとお昼頃の公園って、ほとんど人がいないんだよね。

寒いからかな、ベンチでお弁当たべるサラリーマンもいない、ちっちゃな子供を遊ばせるお母さんもいない。だから、ひとりでブランコ乗っても恥ずかしくない。

 

ちょっとこいでみたら、ぎしぎしと音がうるさかったし、頬にあたる風も冷たかったからすぐにやめちゃったんだけど、ふと見たら公園の隅っこに猫がいた。

なんだかとっても穏やかな顔して丸まっていて、私が近づいていっても、ちょこっとこっちを見上げただけで、すぐにまた目を閉じちゃった。

でね、なんかよくわからないんだけど、気付いたらその猫に話しかけていた。本当にいろんなことを。一度言葉に出したら、止まらなくなって、久しぶりにいっぱいいっぱい話した。

 

おかしいよね。

話していたら少し涙が出てきた。

 

昔のことを思い出したんだよね。実家の縁側で、もう今は亡くなっちゃったおばあちゃんが座っていて、その隣にちょこんと猫が座っていて。そんな光景が頭に浮かんだんだ。

 

東京の猫はずっと身動きもしないままに私の話を、たぶん聞いていてくれたんだと思う。

そしたら、私の中から何かがすっぽりと抜け落ちちゃった感じがして、なんかどうでもよくなって、涙浮かべながら笑ってた。

ちょっぴりすっきりした後で、私はその猫にありがとうっていって立ち上がった。

でも、やっぱりその猫は丸まったまま穏やかな顔して眠っていた。


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フリーダムにゃんこ

2006-12-28 17:00:00

フリーダムにゃんこ
 
猫はいい。なぜなら自由だ。I can fly!…てな具合にフリーダムだ。車の上で寝ていてもあまり怒られることはない。それどころか、猫好きの人なんて足跡がついていても、怒るよりも先に「キャーかわいいっ!」ってウェルカム具合だよ。猫になりたい。
 
猫になったらあれですよ、絶対に座敷猫になりますね。座敷猫ほど自由な家業はないですよね。終日家の中で過ごすから、敵といったら触りまくる子どもくらいか。生活リズムは大体、朝食・昼寝・夕飯・就寝といった具合に食べるか寝るかのノンビリズムな生活。これが座敷犬だったら、例えば散歩で外に出たら、近所の人に媚を売らなくてはならない。「かわいいーー」って触ってくる人に、テヘヘと良い顔をしないといけない。人間社会のようだな。
 
その点、猫は家を出るのに同伴は必要なく、うっとおしいものには「シャー!!」という威嚇ひとつで済む。猫は媚びても、脈がないとサッサとやめる。なんてフリーなんだ。車の上で寝ている猫を見るとそう思う。
 
しかし自由すぎることも生きにくい。人間だと路上で寝ていると変な顔で見られるし、食事代を払わなかったら捕まってしまう。自分の場合は、やっぱりいつもの生活が一番過ごしやすいと、仕事で疲れた頭と体を納得させるのであった。

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ほんわかモード

2006-12-05 17:00:00

受験生たちも、そろそろ本気モード。塾講師の僕も、授業に気合いがはいる。「ゆとり教育」なんていわれていても、勉強はやっぱり大変なのだ。これから冬にかけて、子どもたちの表情はきびしさを増す。そんなある日。出勤途中の住宅街で、のんきなお昼寝ニャンコを見つけた。僕が近づいても、ふにゃん、と身体をねじってみせるだけで、逃げようともしない。秋の夕日に照らされ、ひくひく動くちいさな口元。いたずら心をおこして、彼のヒゲをかるく引っぱってみる。
 
ほんわかモード
 
……ふにゃん。お昼寝ニャンコは眠たげに首をひとふりすると、また夢の世界にはいってしまった。しあわせそうな顔つき。なぜ、眠っているニャンコたちの表情は、みんな笑顔にみえるんだろう。ゆるやかな時間。ふと腕時計に目をやると、時刻はもう4時半。はやく教室にいって、今日の授業の下しらべをしておかなくちゃ。ご機嫌な彼にわかれを告げて、仕事場への道をいそぐ。夜。必死で問題にとりくむ子どもたちをながめ、さっきのニャンコの顔が頭にうかんだ。
 
――君たちにも、はやくあんな表情で過ごせる日がきますように。

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暖かな昼下がり

2006-12-02 17:00:00

ここ最近は寒い日が続き、暦を見たらもう12月。そうか、もう冬なんだなと思ったのがつい昨日のこと。日が変わって、今日は一転して12月とは思えぬほどの陽気。天気予報でいっていた予想最高気温は16度だって。ひと月前に逆戻りしたみたい。こんな日はポカポカお日様にあたってお昼寝でもしたいな。なんて思っていたら、やっぱりいました、お昼寝ニャンコ。
 
暖かな昼下がり
 
気持ちよさそう。こんなに近くまでよっても気付かずにぐっすり。ニャンコのまわりを囲むように花が咲いていて、いい場所を見つけたねって思う。猫はお昼寝に絶好の場所を知っているっていうけれど、あれ本当だね。
 
毛が柔らかそうだったのでなでなでしたかったけど、飼い猫じゃないしこんなによく寝ているのにびっくりさせて起こしてもしまっても悪いから眺めるだけにしておいた。冬のお日様は貴重なもの。こんな至福の時を邪魔しては悪いもんね。お日様は暖かだし、ニャンコのおかげで心までポカポカ。なんだか得した気分。こんな日が週に1度はあるといいな。

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ノスタルジックなニャンコ

2006-11-28 17:00:00

仕事の写真を整理していたら、最後に猫の写真が入っていた。
なぜこんなところに紛れているんだろうと考える。
そうだ、あの日だ。

小学生の頃、団地の下に住む野良猫の世話をしていた。
団地公認の野良猫で、住民みんなからかわいがられていた。
白と黒の美しい雌猫だった。
自宅で動物を飼えなかった私も、毎日のように猫に餌をやっていた。
毎日同じ場所でまどろむ彼女に会うことが放課後の楽しみだった。
彼女は野良猫なのに、まるで自分のペットのように思えて嬉しかった。
ある時彼女が姿を消すまで、私の小さな楽しみは続いた。
あの頃私の世界はとても狭くて、とても輝いていたように思う。

時間に追われながら行った取材の帰り、見上げたところにこの猫がいた。
瞬間のノスタルジーに襲われて、私はシャッターを切った。
あまりにもあの猫に似ていたから。
すっかり忘れていた。


しばらく写真を眺めてから、再び仕事に戻る。
小学生の頃からライターになりたかった。
夢と現実は少し違ったけれど、私は今なりたかった仕事に就いている。

今日は徹夜も苦にならなそうだ。

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猫はにゃーにゃー

2006-11-20 17:00:00

言葉を覚え始めた息子は、目新しいものを見つけては「あれはー?」と聞いてくる。
それは道端に放置してあるバイクだったり、工事現場のブルドーザーだったり、目の前を猛スピードで通り過ぎていく車だったり。
私はその度に、「あれはね、ばいく。あれはね、ぶるどーざー。あれはね、ぶーぶー」と機械的に答える。
だって保育園に向かう自転車を漕ぐのに必死なの。
朝は戦争なんだから。ひたすら前を見て、車にぶつからないように、あの信号に間に合うようにって、頭の中はそればかり。

「あれはー?」
今朝もまた、義務的に息子の指差す方向を見る。

そこには、一匹の猫。
日向でごろんと横になったまま、おなかをぺろぺろと舐めていた。


一瞬で通り過ぎて、「あれはね、ねこ、だよ」。
いつもと同じように答えると、息子は頭をひねって私を見た。
「にゃー?」。

・・・あれ?私、猫がにゃーって鳴くって、教えたっけ?

なぜだか、いつもの道をちょっとだけ遠回りしてみる気持ちになった。
疲れるからといつもは避けて通る坂道。
懸命にペダルを漕いで登りきると、待っているのは急勾配。
ペダルを放して一気に降りる。
息子がきゃー!と歓声を上げる。
私の髪を風がなでる。
冷たい空気を感じて、もう冬が来るんだなぁって思う。

保育園までの道のり、息子は楽しそうに「にゃー!にゃー!」と鳴き真似を続けた。
それを聞いていたら、なんだかとっても嬉しくなった。

あの猫が、明日もまたあの場所にいてくれるといいな。

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3匹のニャンコ

2006-11-07 17:00:00

馬車馬のように働いて、ようやく手に入れた連休。
しかし日頃のつきあいの悪さがたたってか、休日を一緒に過ごす友だちはだれ1人つかまらない。しかたないので、コンビニで弁当を買い、近くの公園で食べることにした。特に心躍るプランではないけれど、自宅にこもってテレビと向き合っているよりはましだろう。休日だというのに、公園にはだれもおらず、3匹の猫がひなたぼっこをしている。公園内はまるで人間界とは別の場所のように、とてもゆっくりした時間が流れている。締め切りとか効率といった言葉は、ここには必要ない。

 

弁当を食べていると、においを嗅ぎつけたのか、1匹の猫がやってきた。
僕の足にすり寄っている。おなかが空いているのだと思うのだけど、残念ながら弁当はあらかた食べてしまった。かろうじて残っていた漬け物をあげてみると、一度ほおばったのだけど、すぐに吐き出してしまった。びっくりしたようなその仕草がおかしくて思わず笑みがこぼれる。そのあと猫は僕から砂場へと移動して、昼寝。僕は持ってきた小説を開く。3匹の猫と僕は、日が沈むまで公園にいた。

Category : お昼寝ニャンコ

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