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黒猫の記憶
2007-02-16 17:00:00 Category : おすましニャンコ
結婚するまでは猫になんて全然興味なんか持てなかった。
それが、今の夫と暮らすようになって、専業主婦としての生活を余儀なくされしばらくたって、よくわかんないけど、知らないうちに「これでいいんだよな」っていうキモチと、「これでいいのかな?」っていう2つのキモチが私の中に存在しはじめて、それで、どっかを見ない振りして目を閉じるような習慣がついて、いつでも眠たいような気分になっていたのは確か。
でも、別にそれでいいんだなっていうのがつまるところの私の結論だった。
あれは先週の水曜日。
あの人が久しぶりに早く帰れそうだからって電話があって、じゃあ今夜くらいしっかりお料理でもしようかなって、レシピをじっくり見てから夕食の買い物に出た。
夕暮れの街角。
ふと通りかかった公園の片隅に、見事に真っ黒な猫がいて、その姿を見たらドキっとするくらいに綺麗だなって思えて、なんだか目が離せなくなった。
それから毎日、買い物の途中、その公園で黒猫の姿を探していた。
なんか、凛としていてクールで背筋が凍るほど美しい。だから、いつも溜息つきながら見とれてしまう。
最初はなぜかわからなかったけど、たぶん…だんだん思いだしてきた。
私、その昔、ああいった美しさにあこがれていたんだって。
邪気のない美しさ。
研ぎ澄まされて怖いくらいに隙がない美しさ。
たぶん、高校3年の頃に私の人生のひとつのピークみたいなものがあって、そのときに私のことを好きだったA君が、「君って黒猫みたいだね」って、いったのを急に思いだした、ような気がした…。
いや、それって夢かもしれないけど
とにかく今は遠い昔。
今日は春キャベツが安いみたいだから、あの人のために、ロールキャベツをつくってあげようかと思う。

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